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「はたらく」とは傍を楽にすること|語源から考える働く本当の意味

yoshihiro3
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僕はNIKKEI STYLEの記事で初めて知ったんですが、「はたらく」という言葉の語源は「傍(はた)」を「楽(らく)」にすることだそう。諸説あり、というやつですが、この語源を知ったとき、なぜかとてもしっくりくる感じがしました。

現代社会において「働く」とは、労働力を提供して賃金をもらう、日々のお仕事(賃金労働)のことを指していることがほとんどだと思います。でも、Withコロナやデジタル化の加速で働き方の多様性が増したいま、あらためて自分の「はたらく」という概念を考え直す良い機会なのかなと思ったりします。

この記事では、僕なりの「はたらく」を改めて定義してみたいと思います。ぜひあなたも、あなた自身の「はたらく」を見つめ直すきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

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「働く」の語源

「働く」という言葉の語源について少し調べてみると、「傍を楽にする」という語源(考え方)を真っ向から否定するものもあります。例えば語源由来辞典というWEBサイトではこんな風に書かれています。

働くの語源は、「はためく」と同様に「はた」という擬態語の動詞化と考えられている。
本来、はたらくは、止まっていたものが急に動くことを表し、そこから体を動かす意味となった。
労働の意味で用いられるのは鎌倉時代からで、この意味を表すために「人」と「動」を合わせて「働」という国字が作られた。

その他、働くの語源は「傍(はた)を楽(らく)にする」からで、「他者を楽にすること」と言う人がいるが、このような組み合わせで動詞が生まれることはあり得ず、言葉遊びであって語源ではない。

擬態語とか動詞とか、言語の成り立ちや構造から考えると、「働く」とは「体を動かす」ことであり、だから”働く”の漢字は”人”を表すにんべんに”動”をつけて「働く」なのだと。

人が身体を動かして何かをすることを働くことと捉えることももちろんできるし、自然な捉え方のようにも思うけど、僕はあえて、「傍を楽にする」という考え方を採用したいと思いました。

言語学的には語源とは言えないとしても、言葉の捉え方、考え方としては、「傍を楽にする」という考え方が好きだからです。

「傍を楽にする」とは

じゃぁ、自分にとって「傍を楽にする」とは、具体的にどういうことなのか?というのを、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

自分にとっての「傍」は誰か?

まず、自分にとって「傍(はた)」というのは、誰なのか?あるいは何なのか?

”傍”という字は、”はた”とか”そば”とか”かたわら”といった読み方があるように、身近な存在を指しているように思います。

僕は、会社ですぐ近くのデスクに座っている同僚、先輩、上司や、妻や子どもたち(家族)、親、気心の知れた友達なんかが浮かびます。

”はた”とか”そば”とかいうと、僕は物理的に近くにいる人を想像しますが、たぶん人によって感覚は違っていると思います。”傍”という言葉の距離感みたいなものが人によって違うし、おそらく自分のおかれた状況やどんなスキルをもっているかによっても、変わってくるんじゃないかと思います。

例えば、ですが、レストランで働く人たちのことを想像してみます。

Photo by Pixabay
例え話

お料理を作る調理師さんにとっての”傍”はレストランを訪れたお客様ではないかと思います。一方、同じレストランでも厨房の奥で洗い物を担当する見習いさんにとっての”傍”は、お客さんというよりか厨房のスタッフではないかと思うんです。

厨房の調理師たちが手際よく料理をできるように、洗い物担当の見習いさんはせっせとお皿を洗います。調理師たちが効率よく仕事できるようにと、調理師たちのことを想って洗い物をするとしたら、見習いさんの”傍”は調理師になります。

でも、今まで洗い物ばかりしていた見習いさんも、調理師として厨房に立つ日が近づいてきた頃、それまでは先輩調理師たちが効率よく働けるように皿洗いを頑張っていたけど、次第にお客様の存在を意識するようになり、美しくキズの無い食器で美味しい料理を食べてもらえるように…といった意識で皿洗いをするように変わっていったとしたら…。

僕が想像する”レストランの人たち”なので実際のところはどうか知りませんが、皿洗いばかりしていた見習いさんがスキルを身に着け成長するにつ入れて、見習いさんにとっての”傍”は、厨房の先輩調理師からレストランへ足を運んでくれるお客様へと変わったんじゃないかと思います。これが、スキルアップや立場の変化によって”傍”の存在が変わっていくということです。

いつだったか昔のドラマのワンシーンでそんな風景を見たことがある気がして、レストランの例え話をしてみましたが、他のどんな仕事でも似たようなことはあるのかなと思います。

大事なのは、いま、自分にとっての”傍”は誰なのか?をしっかり意識することかなと思います。

自分が提供したい「楽」は何か?

じゃぁ、「楽(らく)」とはいったい何なのか?どうすることなのか?

ひとことに「楽にする」と言っても、いろんな方法がありそうです。楽にするという言葉の通り、相手の作業を軽減してラクにしてあげることもあれば、楽しませる、笑わせる、といったことも、「楽にする」のひとつだと思います。

もう少し抽象的に見ると、マイナスをゼロにする(痛みや手間を取り除く)意味での「楽にする」と、ゼロをプラスにする(付加価値を与えてHAPPYにしてあげる)意味での「楽にする」がありそうです。

お医者さんだったら病気やケガというマイナスを治療してゼロにするので前者の「楽にする」だし、お笑い芸人さんだったら退屈な日々に笑いを起こしてHAPPYにするので後者の「楽にする」だと思います。

でも、お医者さんでも「病は気から」を払しょくするためにまるでお笑い芸人のように患者さんを笑わせている(ゼロ→プラスにする)人もいるだろうし、お笑い芸人だけどお悩み相談室を開設してファンの人生相談にのっている(マイナス→ゼロ~プラスにする)人もいるかもしれません。

職業によって「楽にする」の王道手段はだいたい決まっているけど、大事なのは自分はどういう「楽」を提供したいか?を考えることかなと思います。

スキルとして提供できる「楽」もありますが、自分はどうしたいのか?改めて考えてみることは大事だと思います。

Photo by Pixabay

「はたらく」をアップデートしよう

自分にとっての「はたらく」とは何か。

この記事を書きながら、そんなに簡単に答えが見つかるもんじゃないと感じていますが、あなたはいかがでしょうか?

誰のために、何のために、どうすることを、はたらくと定義するのか。定義の仕方次第で、「はたらく」の捉え方、感じ方、自分にとっての意義が大きく変わりそうです。

NASAの宇宙センターの清掃員が視察に訪れた大統領に「何をしているのかね?」と尋ねられた時、「人類を月に送る手伝いをしています」と答えたという話もありますが、まさに、はたらくことを自分なりに定義して、楽しく、誇りをもってお仕事をされている例だと思います。

すぐに答えの出るものでもないし、正解があるわけでもないし、自分の人生ステージによって変わっていくものでもあると思いますが、「自分にとって、傍を楽にするとは?」ということを常に意識しながら、これからの長い人生もはたらいていきたいなと思います。

常に意識して、常にはたらくことをアップデートしていきたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ABOUT ME
ヨシヒロ
ヨシヒロ
HSP気質なマルチ・ポテンシャライト。こだわり強めな性格。普段は会社員で技術系専門職。ときどきブロガー。何かをつくることが大好きな人。
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