人一倍、いや人二倍くらい好奇心旺盛な男、ヨシヒロです。こんにちは。
これまで隠していた…訳ではないですが、どこか自分自身でも認められないでいた、認めることを恐れていた僕の性格について、今日はお話ししようと思います。それは、僕の好奇心についてです。
こんな自分を世の中は受け入れてくれるだろうか?不安も山ほどあるけれど、こんな生き方が僕にとって幸せな生き方なのかもしれないと、ある言葉に出会って感じました。その言葉とは、『マルチ・ポテンシャライト』です。英語ではMulti-potentialiteと書きます。日本語ではいろんな訳し方ができそうですが、『好奇心旺盛な人』というのが僕の中ではしっくりくる日本語訳です。
この記事では、マルチ・ポテンシャライトという言葉を知らないあなたのために、この言葉について解説します。そして、僕がどんな性格なのか改めて自己紹介し、それがあなたの何にお役に立てそうか、お話しします。
ちょっと長い記事です。マルチ・ポテンシャライトについて知りたい方は前半だけ読んでください。その上で、この記事を書いているヨシヒロという人間に少し興味を持っていただけたら、ぜひ後半も読んでみてください。
目次
マルチ・ポテンシャライトとは
この言葉はエミリー・ワプニックという方が最初に使った言葉(実際には彼女の友人が最初に使ったと書籍の中で語られている)で、TEDトークが550万回も再生されている(日本語訳もされている)ということで、実は知っている人は多いんでしょうか?僕はつい最近まで知らなかったのですが…まだ見てない!という方はこちらからどうぞ。
2018年9月にはエミリーの著書「マルチ・ポテンシャライト」の日本語版がPHPより発売されており、マルチ・ポテンシャライトに関する紹介についてはほぼ本書からの引用になります。
マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法
マルチ・ポテンシャライトの定義
マルチ・ポテンシャライトとは、本書の言葉を借りると
さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探求する人
<エミリー・ワプニック著 マルチ・ポテンシャライトより引用>
と書かれています。でもさっき書いたように、何でも屋とかジェネラリストとか、他の言い方もできるとも書いてあります。要するに自分に合うと思う言葉が見つかればいいのですが、僕は今まで自分の性格にしっくり合う言葉を見つけられなかったので
という漠然とした不安が常に拭えなかったんだと思います。僕の中で、いろんなことに興味を持つ人間は“何でも屋”にはなれるけど、
と思っているところがありました。誤解ないように言っておくと、“何でも屋”に誇りを持って仕事とされている方を否定するわけではなく、むしろそれを仕事にできることは羨ましいとさえ思います。
これは僕の中での言葉の定義と捉え方(感覚)の問題で、興味が移りすぎ→何でも屋→中途半端な人間、という間違ったロジックが、自分自身を縛りつけていたのです。言葉って恐ろしいなって思います。
マルチ・ポテンシャライトの生き方(働き方)
マルチ・ポテンシャライトは、さまざまなことに興味を持つ好奇心の強い人のことをさしていますが、そんな人がどうやって人生を歩んでいけばいいのか?というのを、主に働き方の面からエミリーは示しています。
大きく4つのアプローチを示してくれています。その4つとは、
- グループハグ・アプローチ
- スラッシュ・アプローチ
- アインシュタイン・アプローチ
- フェニックス・アプローチ
の4つです。
グループハグ・アプローチ
グループハグとは「まとめて抱きしめる」の意味で、多数の役割を担えるような職業に就くことで、自分の中のさまざまな好奇心を満たそうとするアプローチです。
大企業よりはベンチャー企業で、たくさんの役割を担当せざるを得ない状況に身を置くと、僕みたいな人間はもしかすると楽しめるのかもしれないですね。
僕は大企業に属する技術系専門職なので、かなり居場所を間違えてる気がします…(苦笑)
スラッシュ・アプローチ
スラッシュは記号で書けば「/」で、これは最近よく見かける働き方かもしれません。複業(副業)が当たり前になりつつあるということもあって、〇〇株式会社代表取締役/NPO団体主宰/作家/写真家…みたいな肩書きがいくつもある人、見たことありません?
まさにこんな人がスラッシュ・アプローチで仕事をしているような人ですね。或いは肩書きにはなっていなくても、働く場所として飲食店/美容院/運送業の倉庫…みたいにパートタイムの掛け持ちのような働き方もスラッシュ・アプローチと言えます。
パートタイムの掛け持ちはお金のために止むを得ず…というパターンもありそうですが、掛け持ちを選ぶ基準が給料だけでなく、自分の好奇心を満たせるかどうかで選んでいるならば、それも立派な働き方の選択肢のひとつです。
アインシュタイン・アプローチ
なんかカッコいい名前ですが(笑)、これは有名なアルベルト・アインシュタインの生き方から来ているアプローチの方法です。アインシュタインは現代の物理学の基礎を作ったすごい人ですが、ずーっと研究一筋で活動していたわけではなく、実は日本でいう特許庁に務めていた、言わば会社員だったんですね。
つまりアインシュタイン・アプローチとは、生活を支えるのに十分な収入が得られる仕事をしながら、空いた時間で自分の好奇心を満たすような活動に従事する働き方をさします。
最近の副業解禁の流れで増えているのは、このタイプの人かもしれませんね。まさに、僕もこのタイプです。会社員として仕事はしつつ、こうやってブログ書いたり、DIYでモノづくりしたり、イベント企画手伝ってみたり…色んな活動をしながら自分の好奇心を満たしています。
本当は会社の中でも個人の好奇心を満たせるような働き方ができると、会社的にはその人の持っているアイデアやチカラを100%会社の事業のために活かせるからいいんですけどね。でも、多くの会社でそうなっていないのだから、仕方ない(笑)
これからの時代は、従業員を規則でガチガチに縛り、好奇心も何も関係なくトップダウンで働かせるのではなく、最低限のルールは維持しながらも個人の好奇心を活かせる方向にシフトしていかないと、多様性が爆発する世の中で戦っていけないと確信しています。経営者のみなさん、よろしくお願いしますね(笑)
(話が逸れてゴメンナサイ…)
フェニックス・アプローチ
最後はフェニックス・アプローチです。フェニックスとは空想上の鳥のことですが、500年くらい生きた後、炎に飛び込んで命を終えたら、灰からまた生まれ変わる(諸説あり)と言われています。
そんなフェニックスのように、興味のある業界・仕事を数年単位くらいで転々とするワークスタイルをフェニックス・アプローチと呼んでいます。金融業界で10年働き、その後飲食店を5年経営し、さらにその後は農家に転身しました…みたいな人、いますよね?そういうワークスタイルのことです。
僕は小さい頃からマルチ・ポテンシャライトだった
ここからは僕自身の話です。自己紹介だと思って読んでもらえらば幸いです。
エミリーのマルチ・ポテンシャライトという本では、彼女が感じていた苦悩も書かれていました。TEDトークの中でも語られていますが、子ども或いは学生の頃に「将来、何になりたい?」という質問が苦痛だったこと、キャリアの途中で大きな変化(音楽業界から法律関係へ)があり、それに対する周囲の反応に心を痛めたことが書かれていました。
この世の中、例えば大学で法律を専攻したら、そのまま法律家の道を突き進むことが暗黙で奨励される雰囲気がありますよね。法学部を卒業したのにミュージシャンになる!なんて言い出したら、親が悲しみそう、周囲に反対されそう…というのは想像に難くないでしょう。
別にミュージシャンじゃなくて、水族館の飼育員でも、化学プラントの作業員でも、なんでもいいんですが、一度志した道と違う道を行こうとすると、なんとなく周囲から反対されたり、“もったいない”みたいな目で見られがちです。日本の文化ではこれが顕著なんじゃないかなと思います。
だから日本では転職することがまだまだ一般的ではないし、卒業した大学とは別のジャンルの学問を学び直すリカレント教育みたいなこともまだまだ少ないですよね。いろんなことに興味を持っている人間にとっては、意外にも生きづらい世の中なんです。あれもこれもやりたいと思うとお金もかかるし…ね。
僕がマルチ・ポテンシャライトだと気づくまでの長い道のり
僕は小さい頃から、何かを創ることが好きでした。小学校で一番好きだった科目は?と聞かれれば間違いなく「図工」です。ダンボールでボードゲームを作ったり、紙粘土で作品を作ったり、絵を描いたり…どれも楽しい時間でした。
中学に上がると、「図工」は「技術・家庭」と名前を変え、調理実習とか木工とか、小学生の頃と比べるといろんな道具が使えるようになってきます。料理も木工も金工も、ホントに楽しかった。
木工は今でも大好きな趣味の一つで、暇さえあれば何か作ろうと考えています。今は子どもが小さくてノコギリを引いているとちょろちょろ寄ってきて危ないのであまり作業はできないのが辛いところです…
高校に上がる頃には、僕は「建築家」という夢を抱いていました。地元の工業高校の建築学科に進学したいと中学の担任の先生に申し出たら、「高専に推薦してやるから高専行け」と言われます。
そのとき初めて「高専」という学校を知るのですが、「5年間のコースを卒業したら建築学科への進学もありだよ」と当時の先生に教えてもらい、僕は高専を受験しました。実はその道は相当な茨の道だということは後から知るのですが。(先生がウソついたか、知らなかっただけかは、今となってはわかりませんが)
そして高専を卒業した後の進路を考えるようになった頃、高専の在籍学科から建築学科の大学への編入学が、実は畑違いすぎて相当大変だということを知り、そこで建築家の夢をあきらめて、今の会社に就職することにしました。高専で学んだことを活かせるし、大企業で安泰そうだし、というのが大方の理由です。
そして十数年が過ぎ、エミリー著のマルチ・ポテンシャライトを読んでいて驚いたことが一つありました。それは、
マルチ・ポテンシャライトのコミュニティには、それは大勢のベテランの建築家がいる。初めてこの傾向に気付いたときは驚いたけれど、考えれば考えるほど納得がいく。建築も、複数にまたがる分野だからだ。
<エミリー・ワプニック著 マルチ・ポテンシャライトより引用>
とあります。僕は単に物差しを使って線を引くことになぜか快感を感じ(変態ですね…)、絵を描くのも好きだったので、毎日図面やデザインができそうな建築家は楽しそう!インテリアも好きだし!という感じで建築家を志していたのですが、無意識にも自分の特性を発揮できる職業を嗅ぎ分けていたのかもしれない…と思い驚きました。
そして本書の巻末に付録として、マルチ・ポテンシャライト向きな職業・分野がいくつか挙げられています。その中に「教育」分野があります。パブリック・スピーキング、リーダーシップ、学習スタイル、心理学…様々な要素を掛け合わせる必要のある教育分野はマルチ・ポテンシャライト向きだということですね。
僕が驚いたのは、中学か高校の頃に一回だけ受けたことのある職業適性テストの結果が、「あなたは教育者に向いています」と示していたことです。それを、本書を読んでいて思い出しました。
当時は「学校の先生なんて大変そうだし、なんとなく向いてないと思うし、職業適性テストなんていい加減だなぁ…」なんて否定的に捉えていた気がしますが、ちゃんと僕の性格を分析してくれていたのかもしれないと、今になって思いました。
ということで、人生33年かけて、ようやく僕はマルチ・ポテンシャライトなんだと認識することができました。この言葉がとてもしっくりくるし、これからはこの特性を活かしながら生きていきたいと心から思います!
マルチ・ポテンシャライトは遺伝するのかもしれない
僕は高専を卒業してから就職し、そのまま今の職場で10年以上働いています。技術系の専門職であるということもあり、マルチ・ポテンシャライトとは真逆で、ある分野のスペシャリストにならなければ、ともがいてきた10年だった気がします。
そしてもがいてきた挙句、10年経っても一流のスペシャリストにはなれているとは全く思いません。こんな性格なのでもう仕方ないと、エミリーの本を読みながら悟りました(笑)
一方、僕には2歳下の弟がいますが、彼は学校を卒業した後、数年毎に職業を変えています。そのジャンルも様々で、興味が向くままに職を転々としている感じです。そんな様子を見て母は僕に、
なんて愚痴っぽく漏らしていました。そうは言いつつも子どもの頃から僕たち兄弟がやることは比較的好きにやらせてくれた母で温かく見守ってくれているのですが。
でも、僕はそんな親心?を垣間見ていたこともあってか、すぐに会社辞めちゃいけない、この分野でスペシャリストにならなきゃ、みたいな暗黙のプレッシャーみたいなものを勝手に感じて、今の業界で働いてきた気がします。
でも、今まで嫌々ながらに働いてきたかと言えば実はそうでもなく、たまたま配属された部署が、様々な分野の研究者・技術者をサポートするような部署だったので、自分の専門技術を持ちながらもそれを適用する分野が少しずつ変わり、いろんなことが学べたので、それはそれで楽しんできました。(最近はそうでもなくなりつつある…という愚痴は置いておきます…)
つまるところ、僕たち兄弟はマルチ・ポテンシャライト兄弟で、弟は典型的なフェニックス・アプローチ、僕は人生全体ではアインシュタイン・アプローチで、会社の中ではスラッシュだったりフェニックスだったりを無意識に組み合わせてやってきた感じです。
そう言えば、僕たちの父は調理師免許を持っていたり、船舶の免許を持っていたり、でも本業は秘書…みたいな人でした。海外にもよく行っていました。小学生の頃に両親は離婚して父は家を出て行ったのであまり詳しくは知らないのですが…
マルチ・ポテンシャライトを読んでいて、
なんて思っちゃいました。
この生き方を貫きたいと思った理由
僕はものすごい周りの目を気にするタイプの人間です…小さい頃から自覚があります。だから、好奇心旺盛すぎる自分の性格は、ただ注意力散漫なだけだよね…と思われたり、何やってもそこそこうまくやってるけど中途半端だよね…と周りから思われたりするんじゃないかと恐れていました。
でも、最近ブログで発信するようになり、同時に、今まで会社と地元にしか友達がいなかった僕が、様々なイベントに出かけてたくさんの方と出会い、お話をさせていただく機会をいただき、自分のことを深く内省するようになりました。
そんなことで自分の軸を見出そうと考え続けてきたのがここ半年〜1年くらいの話です。ミレラボというあんちゃさん(@annin_book)、イチハヤさん(@HAYATONIQ)が主宰するオンラインサロンでの学びも大きいです。
そしてようやく、自分のことをひとことで表せる言葉に出会うに至りました。それが『マルチ・ポテンシャライト』でした。(人生100年とするならば)人生のたぶん3分の1くらいを生きてきた今、ようやく自分のアイデンティティみたいなものがはっきりしてきたのです。
少し時間がかかったけれど、残りの人生の3分の2くらい、自分のために、そして目の前にいる誰かのために、自分のよさを最大限活かしながら生きていきたいと思うのです。
まずは、誰のためでもなく、自分が日々幸せを感じながら生きていくために。
そして身近にいる家族や出会った仲間が幸せに生きていくために。
そして仲間たちとチームを作り、これから何かのご縁で出会う誰かのために。
色んなことに興味が移りまくりで、僕って人生の軸がブレブレじゃん…って思っていたりしたのですが、色んなことに興味が湧くこと自体が僕の生き様なんだと、やっと自分の軸が見つかった気がしています。
ここまで読んでくれたあなたのために
さて、こんなにも長い記事をここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!まさかここまで読んでもらえるとは思っていないので、読んでくれたあなたには何かお役に立てることをお返ししたい!…と思うのですが、まだカタチにしてお渡しできるようなものはありません。ゴメンナサイ。
でも、僕は色んなことに本当に興味があります。この記事のトップ画像には僕の興味関心を思いつく限り挙げてみました。

たぶんまだまだ挙げられる気がします(笑)上に挙げた僕の興味関心は、過去に取り組んで既に飽きたもの(笑)、いま取り組んでいるもの、これから取り組んでみたいものまで様々ですが、どれも僕の好奇心をくすぐるキーワードばかりです。もしかしたら、あなたの興味関心と一致しているものがあるかもしれません。
もしそうであれば、ぜひ一緒に何かプロジェクトを立ち上げませんか?プロジェクトと言うと大げさですが、何かイベントを企画したいと思われているのであればお手伝いできますし(数十人〜数百人のイベント企画の経験もあり)、新しいWEBサイトを作りたい!と思っているのであればお手伝いできるかもしれません(僕が運営協力しているよさラボのWEBサイトはまさにお手伝いで製作したサイトですし、こんなブログサイトでよければいくらでも作れます)。
イベント企画にしても、WEBサイト制作にしても、正直、素人に毛が生えたレベルです。それ以外の関心事についても同じです。一流のプロでもないのに手伝いますって何をえらっそうに、と思う方もいるかもしれません。そう思われるのであれば、一流のプロにお金を払ってやってもらってください。
僕は当面お金はいらないアインシュタイン・アプローチなので、ぜひあなたと一緒にワクワクするようなビジョンを共有して、何かのプロジェクトに取り組みたい。ただ、そんな風に思っています。僕はそんなプロジェクトをやっているプロセスがたまらなく幸せなので。
とは言え、僕の身体はひとつしかないので、誰からの依頼も無尽蔵にお受けできるわけではないし、中には僕がどうしても興味を持てないこともあると思います。いくらマルチ・ポテンシャライトと言えども興味ないこともあります。(例えばシイタケ作りを手伝って欲しいと言われても断ります。シイタケ嫌いなので笑)
もしこの記事をここまで読んでいただいて、ヨシヒロという人間に少しでも興味をもち、何か一緒にやってみようかな、なんて思う方がいらっしゃれば、ぜひ遠慮なくご連絡ください!
そして、あなたのビジョンを聞かせてください。僕の好奇心やビジョンとマッチすれば、喜んでお手伝いさせていただきます!
おわりに
この記事ではエミリー・ワプニック著『マルチ・ポテンシャライト』の紹介と、マルチ・ポテンシャライトな僕の自己紹介をさせていただきました。なんと…8,300字近くも書いてしまいました…。
貴重なあなたの時間をこの記事を読むために使ってくれて、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。僕の有り余る好奇心が、いつかあなたのお役に立てますように…
マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法