【レビュー】読書に最適!ニーチェアXロッキング
いちばんこだわって選んでいる家具は何ですか?
と聞かれたら、
間違いなく、椅子です。
と答えます。デザイン性ももちろんですが、長時間自分の身体を預ける道具なので、身体に合ったものを選びたいなと思っています。
さてこの記事では、僕が長年使っているニーチェアXロッキング(Nychair X Rocking)という日本生まれの折りたたみ椅子をご紹介しようと思います。
折りたたみ椅子と聞くと、キャンプ用の椅子か、学校などでよく見かけたパイプ椅子なんかを想像される方もいるかもしれませんが、ニーチェアはニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションとしても収蔵されているデザイナーズチェアです。
ニーチェアの種類と特徴
ニーチェアの選択肢
2022年現在、ニーチェアには大きく3つの種類があります。3種類とは次の3つです。
- ニーチェアX
- ニーチェアX Shikiri(シキリ)
- ニーチェアX 80
さらにロッキングタイプかそうでないか、ひじ掛けの色、布地の色など含めればたくさんのバリエーションがあります。僕が愛用しているのは元祖であるニーチェアXのロッキングチェアタイプです。
公式サイトでも詳しく紹介されています!
ニーチェアXと“Shikiri”の違い
元祖ニーチェアXが生まれたのは1970年だそう…僕が生まれる16年も前からあったなんて…とてもシンプルで洗練されたデザインで、いかにも現代的なデザインだと素人目には写るのですが、この椅子が昭和生まれなんてちょっと驚きです。
ニーチェアの“ニー”というのは、デザイナーの新居猛(ニイ タケシ)氏の名前にちなんでつけられていますが、シキリは、物と物を隔てる“仕切り”に由来した名前だそうです(そのままですね)。ニーチェアXシキリは河東梨香(Rika Kawato)さんというデザイナーが監修されたものです。
日本では昔から屏風や衝立が使われています。このような仕切りは、眩しさや視線を遮りつつも、風通しは確保する、みたいな緩やかな空間のつながりをもたらす道具ですが、そんな仕切りがコンセプトとなっているそうですよ。
ニーチェアXと“80”の違い
ニーチェアXにはもうひとつ“80”というシリーズがあります。元祖ニーチェアXに比べるとリクライニングが浅く、背もたれも低く、ちょっとした休憩用の椅子という印象です。
ニーチェアXシリーズの中では最もコンパクトなタイプなので、キャンプなんかで外へ持ち出してつかってみてもオシャレですね。
百聞は一見に如かず、と言いますので、ぜひ実物を見て体験してほしいなと思います。僕もニーチェアはいくつか見たことがあるけど、シキリと80は実物を見たことがなくて…。全国各地の家具店で取り扱いがあるようですし、東京にはショールームもあります。地方の人間なのでなかなかショールームに行くチャンスはなさそうですが、東京に行ったときにはニーチェアのショールームは立ち寄ってみたいところのひとつです。
ニーチェアXをおすすめしたい人
個人的には、ニーチェアXは「自宅でのんびり読書を楽しみたい」と思っている方や、「読書を楽しむ場所をリビングや書斎に限定せず、たまには別の部屋や屋外でも楽しみたい」というような方にもおすすめかなと思っています。
というのも僕自身、ニーチェアXに出会ったきっかけは、家でのんびり読書を楽しむための椅子が欲しいと思って探し始めたのがきっかけだったからです。
僕がニーチェアを購入したのは2011年4月でした。その頃は小説にハマっていて、たくさん読み漁っていました。ちょうど、会社の独身寮(個室スペースは6畳ひと間)を出て賃貸での一人暮らしを始めた頃で、部屋も広くなったことだし(と言っても間取りは1Kだったけど)、家で過ごす時間を楽しめる椅子が欲しいと思い、いろいろ探した結果ニーチェアXに辿り着いたのでした。
この椅子もかれこれ10年以上使っています。実は、僕は最初から”ロッキングチェア”に的を絞って椅子を探していました。ユラユラと揺れながら本を読むのは心地よさそうに思えたからです。ロッキングチェア探しを始めた頃、僕の中の”THE ロッキングチェア”は、例えばこんな感じのイメージでした。
ロッキングチェアと言えば木製で、かなり大き目で、いかにもおばあちゃんが座って編み物でもしていそうな…そんなイメージでした。
でもさすがにこんなビッグサイズの椅子を一人暮らしの1Kの部屋に置けるはずもなく、やっぱりロッキングチェアはスペース的に難しいかも…と思ったとき、折りたためるロッキングチェアであるニーチェアXロッキングを見つけたんですね。
こ…こんなのあるの!?ほしい…これがいい…
この椅子は一目ぼれだったかもしれません。モノを選ぶときは丈夫で長く使えるものを選ぶようにするし、だからとても慎重に選んでいる方だと思いますが、直感が大事な時もありますよね。
インターネットでニーチェアXを見つけてから、実物を展示している家具屋さんで実物を確認し、その後も布地の色やひじ掛けの色で迷いに迷って、結局僕の選んだニーチェアXロッキングはこれでした。
倉敷帆布の布地はレンガ色、ひじ掛けはダークブラウン、そしてもちろんロッキングチェア仕様で。最初はニーチェアXロッキングを単体で購入したのですが、あとからおそろいの色のオットマンも追加しました。
オットマン(足置き)はなくても快適ですが、あれば2倍快適だと思います。これだけでも、ちょっとした腰掛としても使えますしね。
ニーチェアのメリット・デメリット
どんなモノにもメリット・デメリットはありますが、どこをメリット(デメリット)だと感じるかは人それぞれです。ここに書いてあることがすべてでは決してありませんが、僕が思うニーチェアの善し悪しを整理してみます。
ニーチェアのいいところ
ニーチェアXのここがいいな、とおもうところを挙げてみます。
最高の座り心地と寝心地
なんと言っても座り心地は最高です。人間工学に基づいた設計ということで、身体への負荷は小さいと感じます。個人差はあると思いますが、2~3時間座っていても僕は平気でした。
夜更けにユラユラしながら本を読んでいると、ニーチェアに座ったまま寝落ちしていることもよくありました(笑)。椅子に座ったまま寝落ちしたら、目覚めたときに身体がバキバキに痛くなりそうですが、ニーチェアXは見ての通りヘッドレスト的な部分もあり、首のラインに沿っているためか、あまり身体は痛くなりません(これもたぶん、個人差アリです)。
シンプル・イズ・ベストなデザイン
この記事を書いて(再編して)いる約12年前に買った椅子ですが、飽きずに長く使い続けられるのは、シンプルなデザインだからというのがポイントのひとつだと感じます。
華美な装飾は一切なしで、必要最小限のパーツだけで構成されているように思います。
デザイン性の高さは、この椅子がニューヨーク近代美術館のコレクションにもなっているという点も証明してくれているなと思います。
洗える椅子
そしてニーチェアXは、洗えます。座面の生地は倉敷帆布です。かなり分厚い、しっかりした布地ですが、ひじ掛けとフレームをプラスドライバー1本で分解して、布地だけを取り外すことが可能です。
長年使って汚れてきたら、だんだんとこの椅子に座りたい気持ちも薄れてくるかもしれませんが、定期的に洗ってやれば、清潔で綺麗な状態を保てるので、椅子だけど丸洗いできるという点も、長く使えるデザインと言えるのかもしれません。
ニーチェアのデメリット
もちろん、いいことばかりじゃありません。ここはちょっと…と思うところを挙げてみます。
冬は背中がちょっと寒い
真冬に、ニーチェアXに座ってずっと本を読んでいると、背中やおしりのあたりがちょっと寒いな…と感じたことがありました。分厚い生地とはいえ、座面と背もたれは布地一枚なので、仕方ないかもしれません。
逆に、背中のあたりに暖房器具を設置すれば、その熱が背中に伝わりやすくて良いかもしれません。僕は、冬はIKEAで買ったモコモコをかけて使っています。
これだけでも、多少は違います。
決して安くはない買い物
そして、これは、いい椅子である以上は仕方ないことですが、決して安い買い物ではないですね。2022年12月時点では、約55,000円です。この価格が安いかどうかはもちろん人によりますが、個人的には奮発した買い物の部類に入る金額です。
僕は家具の中でも椅子には特にこだわりを持っていて、やっぱり自分の身体を長時間預けるものだから、しっかりしたモノで、ちょっとお金をかけてでも良いものを選びたいと思っています。その代わり、長く長く使い続けられるモノを選びたいと思っています。
主に家での仕事用に使っているOAチェアも、金額で言えばニーチェアXの2倍くらいはしましたが、これもやっぱり良かったなと常々思える選択でした。
よかったらバロンチェアの記事も読んでみてくださいね。
おわりに
以上、ニーチェアXロッキングについてご紹介させていただきました。実を言うと、ここ数年は我が家のニーチェアXの出番は減っており、折りたたんで収納されている時間が長くなっています。
我が家の保育園児たちは家中走り回り椅子に飛び乗るので、ユラユラとゆれるロッキングチェアは危なっかしくて仕方ありません…。子どもたちがもう少し大きくなったら、また常設していつでもユラユラと心地よい時間を過ごせるようにしたいなと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。